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蘇州初体験から６年(1-3)

　中国へ行きたい。そういう気持ちを持ち始めたのは、大学２年のときに参加した語学研修がきっかけでした。

　僕が通う大学と　蘇省にある蘇州大学の間に交流があり、大学で参加者を募ってその大学での一ヶ月ほどの語学研修が行われていました。卒業して４年になりますが、今も続けられています。僕らはそこでまったくの初心者組みと多少中国語の経験のあるクラスの２つに分かれて授業を受けていました。

　授業は午前中で終わり、昼からは町の中をうろうろと自由に行動できました。授業も為になりましたがそれ以上に街中での体験が自分には貴重なものでした。言葉が通じないこと。これは僕らにとって大きな壁でした。けれど、言葉が通じないことでコミュニケーションが取れなかったというわけではありませんでした。これは中国に限らないことだと思いますが何とかなるものです。

　大学を通じての中国での短い滞在の後、僕は再び今度は単身で中国へ出かけました。大学を卒業する少し前のことです。これは僕にとって旅でした。滞在の中で直に人と触れ合うことができました。彼らにとって僕は旅の珍しい日本人でした。Tシャツ一枚で包子を注文する筆談の日本人の僕をものめずらしそうに店の小娘たちが囲むこともありました。

　こんどはもっと話せるようになって来るからねー、と別れを告げたのです。